2009-03-05

訪問

無論、古代からの時間です流れているんだが、真実、人間存在その善良なる心なら怜悧にして檄をともなう事実おとづれるものとの、音と音とのおとなう意をともなうもの見得ないものの囁きを、いよいよ口を開けた剥き出しの歯、歯冠、歯茎、支えている肉その桃色は既に白骨化した厚い皮膚をまとうことの身重さを一切説明せず、夏の宵の異様な眠気に苛まれ、仰いだ先に垂れさがる我が曾祖母のおそろしき白髪その懐かしさの裡に灯つたり滅したりする蛍の尻の盛んに勢い飛ぶ闇夜の湿り気がひそんでいた、きっと待つているんだよ深い朝靄のただ中にぽつと生まれた我々の営むこのいのちは、口承の口伝の口外に至って左右の手と手でみずから取り立てて言語し、今ではずったり存在している。