太宰かと思ったら山頭火だった朝、改めて見くらべてみる熟した柿の実の丸みと越南の少女の青い臀部とを。両者ともフォルムにおいては独断と偏見による選り好みをのみ許容し得る点で確かに共通する。しかし既に周知のことなので多少のばつの悪さに伴われ窓際に沿い立ち、罅ひとつない硝子窓の立ち並ぶ視界に連なる列車の在また不在、東雲の散去ったあとのしずかに波打つ平凡な朝のはじまり。代わりに一匹の母(猫)が驚く。次の瞬間、周りを取り囲むようにして人界の街、地図は構成される。年老いた息子達はまた帰途のない出発へと招聘される。